AP24 — PERT、クリティカルパス、EVMとプロジェクトマネジメント
応用情報技術者試験の科目Aに向けて、WBSとスケジュールネットワーク、フォワード/バックワードパスによるクリティカルパスとトータルフロート、PERT3点見積り、EVMのSPI・CPI・EAC、ベースラインの変更管理を、計算例とオリジナル問題5問で学びます。
AP科目A・第24回 · 2026年度・シラバスVer.7.2に基づく独立した学習資料です。IPAとの提携はなく、合格を保証しません。 シリーズ一覧を見る
- 改訂日/出典確認日:2026-10-21
- 試験基準:2026年 IPA 応用情報技術者試験シラバス Ver.7.2。2027年以降の提案・検討資料は本稿の出題基準として使用しない。
学習インデックス
PDFページと印刷フッターのページは異なる番号体系です。
- PDF 83/印刷 79:プロジェクトとプロジェクトマネジメント、プロセス群・主題群
- PDF 84/印刷 80:統合、全体計画、変更要求、承認済み変更、ベースライン、CCB
- PDF 85/印刷 81:スコープ、WBS、アクティビティ定義、ワークパッケージ、スコープ管理
- PDF 86/印刷 82:順序・期間見積り、ネットワーク分析、PERT/CPM/PDM、マイルストーン、短縮、差異・傾向分析、EVM
- PDF 87/印刷 83:コスト見積り・予算・管理、実績/予測コスト、EVM、コストベースライン、予備費
共通用語表
| English | 한국어 | 日本語 |
|---|---|---|
| work breakdown structure (WBS) | 작업 분류 체계(WBS) | WBS(作業分解構成図) |
| work package | 작업 패키지 | ワークパッケージ |
| schedule network | 일정 네트워크 | スケジュールネットワーク |
| predecessor | 선행 활동 | 先行アクティビティ |
| earliest start / earliest finish (ES/EF) | 최조 시작 시각/최조 종료 시각(ES/EF) | 最早開始/最早終了(ES/EF) |
| latest start / latest finish (LS/LF) | 최지 시작 시각/최지 종료 시각(LS/LF) | 最遅開始/最遅終了(LS/LF) |
| total float | 총여유시간 | トータルフロート |
| critical path | 임계경로(주공정) | クリティカルパス |
| PERT | PERT | PERT |
| planned value (PV) | 계획가치(PV) | 計画価値(PV) |
| earned value (EV) | 획득가치(EV) | 出来高(EV) |
| actual cost (AC) | 실제원가(AC) | 実コスト(AC) |
| baseline | 기준선 | ベースライン |
| change control board (CCB) | 변경통제위원회(CCB) | 変更管理委員会(CCB) |
1. WBSとスケジュールネットワーク
プロジェクトは、定めた目的と制約の下で固有の成果を作る有期の取組みである。プロジェクトマネジメントは、立上げ、計画、実行、監視・コントロール、終結を結び、スコープ、スケジュール、コストなどを調整する。
WBSは成果物と作業スコープを階層的に分解し、管理可能な最下位要素をワークパッケージとすることができる。スケジュールネットワークは、実施するアクティビティと論理的依存関係を表す。したがって、WBSそのものが作業順序図なのではない。
2. CPMのフォワード/バックワードパス
AON(activity-on-node)の終了-開始ネットワーク、プロジェクト開始をt=0、期間を整数日とし、ラグ、カレンダー、資源制約はないと仮定する。
| 活動 | 期間 | 先行活動 | ES | EF | LS | LF | トータルフロート |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A | 3 | なし | 0 | 3 | 0 | 3 | 0 |
| B | 4 | なし | 0 | 4 | 4 | 8 | 4 |
| C | 5 | A | 3 | 8 | 3 | 8 | 0 |
| D | 2 | A | 3 | 5 | 7 | 9 | 4 |
| E | 4 | B, C | 8 | 12 | 8 | 12 | 0 |
| F | 3 | D | 5 | 8 | 9 | 12 | 4 |
| G | 2 | E, F | 12 | 14 | 12 | 14 | 0 |
フォワードパスはEF=ES+期間で、合流点のESは全先行EFの最大値である。バックワードパスは終了14からLS=LF-期間を使い、逆向きの分岐点のLFは全後続LSの最小値である。トータルフロートはLS-ES(又はLF-EF)。プロジェクト期間は14日、クリティカルパスは A-C-E-G である。この経路の活動はフロート0だが、別のネットワークでは複数のクリティカルパスもあり得る。
3. PERT 3点見積り
楽観値O=4、最可能値M=7、悲観値P=16なら、期待期間は(O+4M+P)/6=(4+28+16)/6=8日。分散は((P-O)/6)^2=((16-4)/6)^2=4、標準偏差は2日である。期待期間は不確実性の要約であり、完了日の約束ではない。
4. EVMチェックポイント
BAC=1000, PV=600, EV=480, AC=540とする。PV、EV、ACは同じ通貨/予算価値単位で比較する。
SV=EV-PV=-120、CV=EV-AC=-60SPI=EV/PV=0.80:ベースラインスケジュールより遅れているCPI=EV/AC=0.888...≈0.89:出来高に対するコスト効率が1未満、すなわち非効率/予算超過- 現在のコスト効率が継続するという明示的仮定では、
EAC=BAC/CPI=1125、ETC=EAC-AC=585、VAC=BAC-EAC=-125
このEACは予測仮定に依存する。EVMは差異を示すが原因を説明しないため、根本原因分析の代わりにはならない。
5. ベースラインと統制された変更
承認済みのスコープ、スケジュール、コストのベースラインは、実績比較の基準である。スコープを拡大する変更要求では、影響と代替案を分析し、定義された変更手続又はCCBで承認を得てから、承認済みベースラインと関連文書を更新する。全要求を自動承認したり、作業後に遡ってベースラインを書き換えたりしない。
サービスマネジメントのSLA、インシデント、問題、変更管理はAP25、監査、内部統制、セキュリティ管理はAP26で扱う。
6. オリジナル4択問題
Q1
上のネットワークのプロジェクト期間とクリティカルパスはどれか。
- ア 12日、B-E-G
- イ 14日、A-C-E-G
- ウ 14日、A-D-F-G
- エ 16日、A-C-F-G
正解:イ (2)。 アはEが終了時刻8のCを待つ点を見落とす。イはフォワードパスとフロート0の経路に一致する。ウのD-F経路には各4日のフロートがある。エは存在しないC-F接続を使い、期間も誤る。
Q2
活動Dのトータルフロートは何日か。
- ア 0日
- イ 2日
- ウ 3日
- エ 4日
正解:エ (4)。 アはDをクリティカルパスと誤認する。イはDの期間をフロートと取り違える。ウはFの期間と混同する。エはLS-ES=7-3=4で正しい。
Q3
PERTでO=4、M=7、P=16のとき、期待期間は何日か。
- ア 7日
- イ 7.5日
- ウ 8日
- エ 9日
正解:ウ (3)。 アは最可能値だけを使う。イは単純平均でもPERT加重平均でもない。ウは(4+4×7+16)/6=8で正しい。エは単純平均(4+7+16)/3である。
Q4
PV=600、EV=480、AC=540の正しい解釈はどれか。
- ア SPI=0.80、CPI≈0.89で、基準日程より遅れ、出来高に対するコスト効率が低い。
- イ SPI=1.25、CPI=0.80で、日程より進んでいる。
- ウ SPI=0.90、CPI=1.13で、コスト効率が高い。
- エ SPIとCPIは共に1で、計画どおりである。
正解:ア (1)。 アは比率と解釈が共に正しい。イはSPIを逆にし、CPIも誤計算する。ウは誤った分子を使う。エはEVがPV、ACの両方と異なる点を無視する。
Q5
スコープを拡大する変更要求への最適な対応はどれか。
- ア 直ちに作業を開始し、既存ベースラインを維持する。
- イ 影響を分析し、定義済みの承認/CCB手続を経て、承認済みベースラインを更新する。
- ウ 要求だけで直ちにベースラインを変更し、分析を省く。
- エ 全てのスコープ変更を無条件に拒否する。
正解:イ (2)。 アには未承認作業と測定の歪みの危険がある。イは分析・承認・更新の順が正しい。ウは要求と承認を混同する。エは価値ある統制済み変更まで妨げる。
全問題は独自作成であり、IPAの過去問題を使用、翻訳又は改作していない。
クイックシートと復習
- 順方向の合流=
max(EF)、逆方向の分岐=min(LS)、総余裕=LS-ES=LF-EF。 - PERT期待期間=
(O+4M+P)/6、分散=((P-O)/6)^2。 SV=EV-PV、CV=EV-AC、SPI=EV/PV、CPI=EV/AC。- 1日後:用語と式を想起。3日後:ネットワークを再計算。7日後:時間を決めてQ1~Q5を再受験。
公式出典及び告知
- IPA、応用情報技術者試験(レベル3)シラバス Ver.7.2 — 2026-10-21確認
- IPA、試験要綱・シラバスについて — 2026-10-21確認
- IPA、試験要綱・シラバス変更情報 — 2026-10-21確認
本資料はIPAと提携関係になく、IPAの承認を受けたものでもない。学習、合格又は試験結果を保証しない。